2012年2月22日(水)〜 2月24日(金)
主催:九州大学マス・フォア・インダストリ研究所
共催:文部科学省グローバルCOEプログラム「マス・フォア・インダストリ教育研究拠点」
最終更新日: 2014/03/27 13:25
新着情報
- 本ページを開設しました.(10月3日)
- プログラムなどを掲載しました.(1月18日)
離散微分幾何はビジュアライゼーションや,離散的な幾何学的オブジェクトの運動を統制する新しい数学的枠組みとして研究が進められており,
産業技術と数理を結びうる分野の一つとして期待されています.離散微分幾何では幾何学的オブジェクトの整合性を保証する上で,
離散可積分系の理論を基礎にして理論が構築されています.ところが離散可積分系の理論と離散微分幾何には入門書が少なく,
しばしば初学者が勉強しにくいとも指摘されています.
そこで,両分野の専門家を集めて新修士1年生レベルを念頭に置いた入門講義を行い,理論の普及を図るとともに,
今後の研究活動の基盤とします.
本チュートリアルは幾何学コミュニティと可積分系の理論のコミュニティのコラボレーションとして2010年2月にも開催され,
好評を博しました.前回と同様,講義は内容を精選し,学生の皆さんに「わかってもらう」ことにこだわってやっていただきます.
今回は,前回と比較して若干の内容の入れ替えがありますが,基本的に同じ内容となっています.
現在学部4年生の方(来年度大学院進学予定者)を始め,学部生・大学院生の参加を大いに歓迎致します.
多くの皆さんの参加をお待ちしております.
本チュートリアルは科学研究費補助金 基盤研究B(23340037)「離散可積分系と離散微分幾何による応用解析」(研究代表者:梶原 健司)の補助によって開催されます.
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講演者 |
所属 |
タイトル・内容 |
時間数(予定) |
井ノ口 順一 |
山形大学理学部 |
可積分幾何入門 |
3 |
中屋敷 厚 |
津田塾大学学芸学部 |
Review on constructions of quasi-periodic solutions of soliton equations |
2 |
太田 泰広 |
神戸大学大学院理学研究科 |
可積分系の厳密解とGram行列式 |
2 |
筧 三郎 |
立教大学理学部 |
離散可積分系入門 |
3 |
梶原 健司 |
九州大学マス・フォア・インダストリ研究所 |
可積分系入門 |
3 |
松浦 望 |
福岡大学理学部 |
平面曲線の離散微分幾何 |
2 |
Wolfgang K. Schief |
University of New South Wales(オーストラリア) |
Discrete differential geometry: theory and applications |
3 |
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講演概要
- 井ノ口 順一「可積分幾何入門」
曲面の離散微分幾何(差分幾何)を考えるためには,
曲面のもつ積分可能系としての構造に着目する必要がある.
この講義では,積分可能系の構造を曲面について解説を行う.
- 中屋敷 厚「Review on constructions of quasi-periodic solutions of soliton equations」
I review constructions of quasi-periodic solutions of soliton
equations such as KP, KdV etc.
- 太田 泰広「可積分系の厳密解とGram行列式」
様々な可積分系の解は,行列式を用いて簡潔に書くことができる.
解の行列式表示には,Wronski行列式によるものとGram行列式によるものの二種類(およびそれらの離散アナログ)が知られている.
ここでは,Gram行列式を用いた計算の技法を紹介し,可積分系の解を与えるのにGram行列式がどのように活用されるのかを解説する.
- 筧 三郎「離散可積分系入門」
1つの微分方程式に対応する差分方程式は無数にありうるが,
「可積分系」とよばれる微分方程式系においては,元の微分方程式の
解の性質を保つような差分方程式を作ることができる.
本講演では,戸田格子方程式を中心に,基本的な考え方を紹介する.
- 梶原 健司「可積分系入門」
可積分系の理論は可積分幾何や離散微分幾何の本質的な部分を支える骨組みである.
可積分系の「解ける」という性質に注目し,そのメカニズムを体現するτ函数,双線形方程式や補助線形問題などの本質的な構造について,
「戸田格子」を例にして入門講義を行う.
- 松浦 望「曲線の離散微分幾何」
平面曲線が伸び縮みせずに連続的に変形していく様子を考えます.
そのような変形(等周変形)の仕方はたくさんありますが,
とくに曲率の値がソリトン方程式にしたがって変化するような特別な場合が存在します.
平面曲線は曲率で決まってしまうので,このソリトン方程式が曲線の等周変形を統制していることになります.
講演では、離散ソリトン方程式によって統制されるような離散平面曲線の離散的等周変形について詳しくお話します.
- W.K. Schief「Discrete differential geometry: theory and applications」
The following topics will be discussed;
1. Aspects of integrable discrete differential geometry
2. On the integrability of infinitesimal and finite deformations of
polyhedral surfaces
3. Integrable structure in discrete shell membrane theory
プログラム
時間 | 2月22日(水) | 2月23日(木) | 2月24日(金) |
9:30 - 10:30 | 梶原(I) | 太田(I) | 井ノ口(I) |
10:40 - 11:40 | 梶原(II) | 太田(II) | 井ノ口(II) |
11:40 - 13:00 | 昼食 | 昼食 | 昼食 |
13:00 - 14:00 | 梶原(III) | 松浦(I) | 井ノ口(III) |
14:10 - 15:10 | 筧(I) | 松浦(II) | Schief(I) |
15:10 - 15:30 | 休憩 | 休憩 | 休憩 |
15:30 - 16:30 | 筧(II) | 中屋敷(I) | Schief(II) |
16:40 - 17:40 | 筧(III) | 中屋敷(II) | Schief(III) |
18:00 - | | 懇親会 | |
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当日の飛び入りも歓迎致しますが,準備の都合上,事前登録にご協力下さい.
参加ご希望の方は,
1月31日(火)
までに,e-mail で以下の情報を梶原(kaji_at_imi.kyushu-u.ac.jp)にお知らせ下さい.
- 氏名
- 所属,学年または職名
- (学生の方のみ)指導教員名,専攻分野
- 住所(自宅もしくは勤務先)
- e-mail アドレス
- 参加可能な日程
九州大学伊都キャンパスの近隣のホテルはきわめて限られています.
福岡市中心部の天神・中洲地区や博多駅付近のホテルをご利用いただくのが現実的だと思います.
天神・博多駅から伊都キャンパスまでの交通は次の2通りあります.
- 西鉄バス「九大伊都キャンパス(工学部前)行き」(都市高速経由): 天神より600円・50分程度
- 地下鉄・JR筑肥線(姪浜乗り換え・直通電車あり)で「九大学研都市」→昭和バス「九大工学部前行き」
天神より710円・35-45分程度(昭和バスはかなり頻繁に出ています)
詳細はIMIのページ
もしくは九州大学の提供するページ
をご覧ください.なお,2.の方法を使う場合,「伊都キャンパス回数券」
を利用すると大変お得です.地下鉄主要駅(天神・博多など)の定期券売場,JR九大学研都市駅,九大生協などで販売されています.
井ノ口順一 |
山形大学理学部 |
太田泰広 |
神戸大学大学院理学研究科 |
筧三郎 |
立教大学理学部 |
梶原健司 (委員長) |
九州大学マス・フォア・インダストリ研究所 |
松浦望 |
福岡大学理学部 |
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〒819-0395
福岡市西区元岡744
九州大学マス・フォア・インダストリ研究所
梶原 健司
E-mail: kaji_at_imi.kyushu-u.ac.jp
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